コーヒー専門店から焙煎機メーカーへ
SOL'S COFFEEの文化をつなぐ
世界への挑戦とは

2009年に創業し、東京・蔵前を拠点に都内4店舗、福井・若狭町に1店舗の計5店舗を構えるコーヒー専門店SOL'S COFFEE。
10年以上にわたり、コーヒーを通して蔵前の空気をつくってきた同店が、新たに焙煎機やエスプレッソメーカーの開発製造事業を始めるという。コーヒーという文化の延長線上にありながら、一見すると飛躍しているようにも見えるメーカーへの挑戦はどのように始まったのだろうか。その経緯と今後の展望を代表であるアライリエコに訊いた。

亡き父に提案していた、焙煎機開発の夢

私の父は荒井家が代々継いできた荒井鉄工所を長年営んでいました。職人気質で頑固で豪快な情に厚い父。

「日本のものづくりは世界に誇れる」が
そんな父の口癖でした。

quissaco by SOL'S COFFEE
代表アライリエコ

珈琲文化の日本的再解釈

ロゴマークに込めた思い

手に馴染む  育てる道具
珈琲を飲む時間、季節の移り変わりが感じられる
あらゆる人にコーヒーの入口を開いていく
そして未来に繋げていく

quissaco 喫茶去(キッサコ)は「まあ、お茶でも飲んで」
を意味する禅のことば

その時間は生活にリズムを与え、余白と健やかさを生み出します
日々に、心閑かな瞬間を

はじめに

2021年に入ったばかりの頃、そんな父に大腸癌が見つかったんです。父の仕事は移動や野外での作業も多く、身体を病んでもなお仕事を続ける父の姿を見るのが辛かったです。そんな状況もあり、SOL’Sが一緒に何かできることはないだろうかと考え、荒井鉄工所で焙煎機を作るのはどうかと父に提案したんです。焙煎機は自家焙煎を行うSOL'S COFFEEとも関係の深いもので、そうなったら父の過酷な仕事環境も少しは改善するんじゃないかと。

癌の手術は無事成功しました。しかし体調も落ち着くかに思えた矢先、立て続けにコロナ感染症に罹患してしまったんです。救急車で運ばれたものの、一晩中受け入れ可能な病院が見つからない状態。ようやく病院が見つかり入院することができましたが、病状が急変し帰らぬ人となりました。
その後、父の会社と借金と持ち家を相続しました。実は、はじめは相続を放棄するつもりで手続きを進めていたんですが、裁判所に必要な書類をすべて提出すると、最後に「これは本当にあなたの意思ですか」という確認の手紙が届くんです。
兄弟はすぐに返事をしたらしいのですが「あなたの意思」という部分に私は引っかかってしまって。その時に「茨の道を選ばない私は私じゃない!」と、衝動的にすべてを背負い借金を含めた遺産相続をすることを決心しました。

そうして父から受け継いだ、日本のものづくりの精神と今まで自力で培ってきたコーヒーのノウハウを活かして、金属に特化した日本製の珈琲器具のメーカーにんるプロジェクト「quissaco(キッサコ)」を始動しました。

「町の珈琲屋が焙煎機メーカーになる!」

そんな夢みたいな話、言い出した当初は誰もまともに話も聞いてくれませんでした。しかし言い続けること、がむしゃらに相談し続けることで1人また1人と協力者が増えてきました。
今ではコーヒー専門誌に今プロジェクトについて掲載していただいたり、国内国外から応援してくれるようになってきました。

完成までもう少し時間がかかりますが、日本のものづくりの精神を持って世界に発信し、そこで得たものを日本に貢献していくそんなプロジェクトにしていきたいと考えています。今では私1人の夢ではありません。ぜひ皆様の温かいご支援ご協力お願いします!

焙煎の敷居を下げる、あらゆる人にひらかれた焙煎機

私たちの焙煎機が想定している顧客は、小規模スペシャルティコーヒー専門店と感度の高いお客様に向けたレストランやホテルです。

デザイン性、機能性の課題を解決し、焙煎をこだわりたい小規模スペシャリティコーヒー事業者はもちろん、専任の焙煎士はいなくてもこの焙煎機を置くことでスペシャルティクオリティの生豆の仕入れを選択できるお店を増やしていきたいです。
そうすることで仕入れの価格も抑えられ、より珈琲を良い状態で仕入れ提供できるようになります。

小規模店舗に導入しやすい焙煎機仕様と価格

100g-1kgの焙煎容量と100万円前後の販売価格設定と家庭用電力の本格的な焙煎を実現し、導入ハードルを下げます。

ちょうどいい性能と洗練されたデザイン

長年焙煎で培ってきた経験をもとに、マニュアル操作とオート操作をカスタマイズできるフレキシブルな性能とスペシャルティコーヒー専門店に相応しいデザイン性を追求します。

安心のアフターサービス

現行焙煎機の課題であるアフターサポートを充実させるため、専用のサポートチームを設置します。また専用アプリからタイムリーな問い合わせに対応。導入後もずっと安心して使い続けられる焙煎機です。

スムーズな生豆の仕入

専用アプリから小ロットで個性的なお好みのコーヒーの生豆を購入可能です。

環境性能へのこだわり

焙煎によって発生する排煙も最小限に抑え、煙突のない焙煎機を目指します。
KURAMAEモデルとの連携で廃棄物を減らしアップサイクルできる仕組みを作ります。

コーヒーのプロがつくる、本格的なエスプレッソメーカー

エスプレッソメーカーの開発は焙煎機開発に続く、荒井鉄工所の第二弾プロジェクト。2022年の春からはじまった構想は、燕三条の方々とのセレンディピティな出会いを通して、徐々に形になっていきました。

エスプレッソを上手に淹れるためには、条件があります。例えば、挽いたコーヒーの細かさやお湯の温度、抽出時間が適切でないと、クレマはきちんと出てこない。クレマが上手にできていると、良いエスプレッソだと言えます。コーヒー屋がつくるエスプレッソメーカーにするからには、絶対にこのクレマが出ないといけないなと思いました。

こだわった結果、最終的な形はレバー式のエスプレッソメーカーになりました。しかもこれは、SOL'Sのお店でも使っている業務用ポルタフィルターと同じ規格が使用可能です。フィルターの世界基準は58ミリで、一般的なメーカーのエスプレッソマシンは基本的にこの規格が使われています。同じ規格のフィルターだから、他のプロ仕様のメーカーのものを使うこともできるし、家に高価なエスプレッソマシンがなくても、プロ仕様関連アクセサリーを楽しむことができます。

初めての開発で、どこを完成とするのかを自分たちで決める点苦しみました。本当にこれでいいのか。もっと良くなるんではないか。そんなことを考えたらキリがないのですが、今は不安以上にお披露目できることをワクワクしています。

円弧をモチーフに開発設計したこと、電気を使わず心地良い空間で使うことを想定したことから
「ARCO(アルコ)」と名付けました。
どうか皆さんに長く愛される道具になりますように。

スペック

商品名 ARCO
サイズ 254mm (レバーを含める横幅)
164mm(接地面の直径)
308mm(高さ)
重量 3.3 kg
カラー シルバー / ブラック
生産国 日本

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